気候と地形

那岐山に向かってまっすぐに伸びるシンボルロード

 

奈義町は岡山県北東部に位置し、北にまちのシンボルでもある標高1255mの那岐山があり、

そこからなだらかに南にひらけた土地にまちを形成しています。

年間の平均気温は14度。

夏は最高気温36度くらいまで、冬は最低-10度まで下がります。

ここに住む人たちは昔から那岐山を眺めながら暮らしてきました。

春は菜の花や桜が山麓を黄色とピンクに色付け、夏は葉を茂らせた木々が青々と山を染め、

秋は紅葉前線が山頂から下り、冬は時折山が見えなくなるほど一面銀色の景色になる。

那岐山を通じて四季の変化を感じています。

 

夏の深緑の那岐山

奈義はその地形上、風が強く吹くところ。

日本海から湿気を帯びて中国山地を登ってきた風「きたげ」が山頂から吹きおろすため、

冬でも乾燥しない環境となっています。

その湿度の高い空気に南から太陽の光を受け、那岐山にはよく虹がかかります。

 

現代美術館にかかる虹

 

那岐山の山頂に風まくらという雲の傘が現れると、日本三大局地風である広戸風が吹くと言われています。

その風は強い時には最大瞬間風速50メートルに達するほど。

この地の人たちは昔からその強風と付き合ってきました。

その為、比較的築年数の長い家の北側には「コセ」と呼ばれる防風林を備えて、広戸風とともに暮らしています。

 

中央付近に見える林がコセ。根が強い椿などが多く植えられます

 

今奈義町があるこの場所は、はるか昔海底にありました。

そこが火山活動の影響で隆起し、大地となり、大山噴火の火山灰が積もって土ができたのです。

その土は黒ぼこと言われる酸性でミネラルが豊富な土質です。

また目も細かく保水性が高い為、里芋の栽培や稲作に適しており、

それらは今も奈義町の特産品となっています。

 

黒ぼこと里芋の種芋

 

また、奈義町には大きな河川が無いため、ため池が多く見られます。

その数はおよそ100を超え、人々の手によってまちの至るところにつくられました。

まちの人はそのため池から田畑に水を引き、野菜や穀物を育てています。

 

ため池から見る那岐山はいつもと表情が違う気がします

 

四季折々の自然を感じられる山麓のまち。

いつの時代も奈義町の人々は、那岐山を始めとした豊かな自然を愛でながら、山と風とともに暮らしています。

 

標高が高い為、きれいな夕陽がよく見えます